債務整理について

膨らんでしまった借金をなんとかしたい。

債務整理つまり借金問題を解決する方法としては、
おおよそ「自己破産」「任意整理」「個人再生」の3つがあります。
 手続の名称はなんとなく聞いたことがあっても、具体的にどんなことをするのか、自分の場合はどの手続をとるのがよいか、判断できない、という方がほとんどではないでしょうか。

「借金を何とか解決したい、でも何をどうしたらよいのか分からない」

 これが借金を抱えている方の悩みだと思われます。
 まずは、借金で悩んでいる方々の個別ケースを見てみましょう。

住宅ローンによる圧迫

住宅ローンの負担が生活費を圧迫し、ボーナス返済ができない、あるいは生活費が足らないため他から借り入れするうちに、住宅ローン以外の借金まで膨らんでしまうことがままあります。
 住宅ローン以外の借金の負担を減らすことができれば住宅ローンを何とか支払っていけそうだ、という目処が立つ場合は、個人再生手続により、住宅を維持しながら借金返済計画を見直します。
 一方、住宅ローンを含めてもはや借金の返済をしていくことは不可能、住宅を手放すことも仕方ないから借金を清算してしまいたい、という場合は、自己破産手続を検討します。

連帯保証人の責任を負えない

例えば、
 ●配偶者や親戚知人の事業の借入の連帯保証人になっていたところ、事業不振で返済が行き詰った場合
 ●離婚前に購入した住宅ローンについて、妻が連帯保証人となっていた場合、離婚後、住宅には夫が住んでいたもののローン返済につまづき自己破産した場合。
 いずれも連帯保証人は支払いの追及を受けることとなります。
 事業借り入れや住宅ローンは多くは何千万の負債であり、一度に返済しきれるものではないでしょう。

 分割による返済の交渉余地はないわけではありませんが、資産、収入状況から破産手続をおすすめせざるを得ないことがあります。
 知らないうちに借金の保証人とになっていた、知らないうちに自分の名前を使って借金をされていた・・・とくに家族間ではありがちなことです。
 保証人や借金の契約に全く関わっていないことが証明できれば、契約の無効を主張することができます。
 きちんとした資料をそろえれば、業者によっては裁判外で無効確認に応じるところもあります。
 身に覚えのない債務の場合は、破産する前に契約無効の主張で責任を否定することを検討しましょう。

カード等の多重債務

返済能力つまり資産と収入の状況と借金総額をふまえながら、返済計画見直し(任意整理か個人再生)あるいは自己破産手続を考えます。

 生活費が足らないから手元にあるカードでちょっと借りよう・・・こういうことを繰り返しているうちにいつの間にか毎月の返済額が膨大となり、返済のために借り入れするという自転車操業状態に陥ってしまう、多重債務の典型パターンです。
 返済の方向で考える場合は、任意整理または個人再生手続を、返済不能だから借金を清算したい場合は、自己破産を検討します。

夫婦ともに多重債務

夫婦ともに債務を整理することが経済的に立ち直るための根本的解決になります。
 夫婦の資産、収入状況、借金総額を見ながら、それぞれどの手続をとることが一番よいのかを検討します。

 家計のやりくりのために妻がカードキャッシングを繰り返すうち、自分の名前では借り入れできなくなり、夫名義のカードも使って借り入れするようになった。気づいたら夫婦名義の借金がものすごい金額に・・・・。
 夫婦は一般的には経済的に一体です。どちらか一方の借金だけを整理するだけでは、その場限りの解決になってしまうことになりかねません。
 妻と夫それぞれの借金額にもよりますが、多くは、夫婦が同時に整理をして、家計の見直しもあわせて行っていくことが今後の生活立て直しにつながることが多いでしょう。
 夫婦ともに自己破産手続をとることもあれば、夫は個人再生、妻は自己破産手続、というケースもあります。